「大学間連携による光・赤外線天文学研究教育拠点のネットワーク構築」事業
平成23年度から発足したこの事業(略称:光・赤外線天文学大学間連携)は、日本の大学と国立天文台が国内外に持つ中小の望遠鏡を有機的に結びつけ、世界に先駆けて突発天体の即時連続フォローアップ観測の地球規模ネットワークを構築し、 大望遠鏡では達成困難な研究領域、特に時間軸の探究の領域で、最先端研究を共同して行うことにより、大学での教育と研究を促進することを目指しています。 そこから光・赤外線天文学の一層の発展、大学の教育研究基盤の強化、連携による特色ある天文学研究の創出と人的交流の活性化を図り、天文学の研究教育拠点の形成を進めます。詳細はこちら



最近のOISTER: ガンマ線バーストGRB140423Aの連携観測に成功


日本時間2014年4月23日の夕刻に発生したガンマ線バーストGRB140423A(参考文献1)の残光について、5台の望遠鏡による連携観測に成功した。光・赤外大学間連携事業で整備した観測ネットワークOISTERでは、発生から数時間で消えてしまうガンマ線バーストの検出を狙った即時観測を促すアラートシステムを構築していた。今回、このアラートに呼応して、東京工業大学MITSuME望遠鏡、東京大学木曽シュミット望遠鏡、兵庫県立大学なゆた望遠鏡、国立天文台岡山MITSuME望遠鏡、広島大学かなた望遠鏡によって、可視近赤外多色測光観測が実施された(参考文献2,3,4,5,6)。GRB140423Aは発生後から世界中でフォローアップ観測が実施され、Gemini-N望遠鏡による分光観測で、赤方偏移z~3.26の値が得られている(参考文献7)。

GRB140423A_web

図1 各望遠鏡が観測したGRB140423Aの画像(g’:MITSuME-岡山@国立天文台; Rc,J:かなた@広島大学; Ic:MITSuME-明野@東京工業大学; z’:木曽シュミット@東京大学; H:なゆた@兵庫県立大学)と参照画像(STScl DSSと2MASS)

図1は各望遠鏡が撮像した画像の一覧である。赤丸で囲まれた天体がGRB140423Aである。図1右上下に示した可視領域(STScl DSS)、近赤外領域(2MASS)の比較画像と比べると、赤丸で囲まれた中に該当天体がないことが分かる。これらの観測画像からGRB140323Aの明るさを測定しGCN Circularに報告した。
一刻を争うガンマ線バーストの観測では、予め観測波長を各施設に割り振りしており、今回は、可視波長のg’バンドから近赤外波長Hバンドまで、狙い通りの広範囲のデータ取得に成功した。OISTERでは、遠方で起きたガンマ線バーストの検出を第一ターゲットとしており、今後、このアラートシステムを使った即時連携観測が期待される。

参考文献1: Sonbas et al., 2014, GCN Circular 16142
参考文献2: Fujiwara et al., 2014, GCN Circular 16173
参考文献3: Maehara et al., 2014, GCN Circular 16151
参考文献4: Takahashi and Arai, GCN Circular 16167
参考文献5: Kuroda et al., 2014, GCN Circular 16160
参考文献6: Akitaya et al., 2014, GCN Circular 16163
参考文献7: Tanvir et al., 2014, GCN Circular 16150

過去のトピック
遠方ガンマ線バーストGRB130606Aの残光観測に成功(2013/6/6)
第2回キャンペーン観測(2011/9/26-10/7): 伴星を共食いする毒蜘蛛「ブラックウィドウパルサー」を発見
第1回キャンペーン観測(2011/4/25-5/2)

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